サクラ秘伝読みました。
以下感想とネタバレになります。未読の方はご注意ください。
サクラ秘伝、本日無事手に入れることができました。
本屋1軒目では入荷されておらず、山盛りのカカシ秘伝を横目に2軒目へ。
そこで無事購入することができました。
思ったよりもずっと売れているのか。サクラ秘伝のおいてあった場所がぐっと沈んでいたのが嬉しかったです。
皮肉なことに、原作が終了してからサクラちゃんの人気をグッと感じることが多くて
嬉しいような切ないような、そんな気持ちになっています。
サクラちゃんがちゃんとしっかり一部の頃のように夢中にサスケに恋をしていて、それが本当に嬉しかったです。
サスケの謝罪の言葉はちゃんとサクラちゃんに届いていて、かつサスケへの信頼ができていたんだなって事をしみじみ感じる小説でした。
(サスケのデコトンを自分の指で反復してるあたりがいかにもサクラちゃんらしくてニコニコしてしまいました)
サイに恋をしているいのがすこぶる可愛かったですし、
サクラちゃんが親友の恋を陰ながら応援している姿がとても健気で好もしかった。
そうだ、サクラちゃんはこんなにも健気なのだ!と
沢山の人の心を深く考えるサクラちゃんだからこその「子ども心療室」につながったのかな?とすんなり腑に落ちました。
何より、サクラちゃんを取り巻く人々との繋がりの温かさや絆を空気で感じ取れるような描写が多くて読んでいて心地よかったです。
綱手様と食事に行って師弟として、恋愛の先輩としてアドバイスを受け止め話をしている姿。
カカシ先生と真剣な任務の話の中でもふと、軽口を叩いて笑うシーン。
サイとサクラの絆。
いのとのガールズトーク。
時間枠がちゃんと原作、映画等の公式を上手く汲み取って描かれているので読んでいて不自然さを感じない。
執筆してくださった大崎先生の「世界観を自分のものにしない」配慮をビシビシ感じました。
さすがプロだ…とも思ったし
プロはこうあるべきである…とも思いました。
すべてが「あぁサクラちゃんだ。うんうん、サクラちゃんだよなぁ!」と感じることができました。
キャラがとっても自然で、言葉の使い方表現の仕方一つ一つに「らしさ」があり、安心して読むことができるため
頭のなかで各キャラの顔が浮かび
ふっとふきだして笑ってしまうシーンも多々ありました。
おっぱおっぱ!お胸!(さすがコメディがお得意と定評があるだけある)
こうして小説として読んでみると、絵がない分サクラちゃんのサバサバした性格やはすっぱな物言いが目立つのですが、
そんな時にふとサスケのことが過ってくるのでサクラちゃんの女の子らしさがぽっと出てきてそこもすごくいいスパイスになっており、
ただただ恋に恋する乙女の小説、ではなくて 仕事も立場もわきまえた中で、どうしてもサクラちゃんの心の中に浮かんでしまうサスケが(羨ましく)殊更光って見えました。
ホント 憎いアンチキショーだった。
相手を思いやり、考え行動をするサクラちゃんが唯一弱みを見せられる相手がナルトだったこともすごく嬉しかった。
ナルトがサクラちゃんの悩みを払拭するシーンは、けして悲しかったり切なかったりする場面ではなかったのですが
涙がこぼれて仕方ありませんでした。
ヒナタだからそういう心配もない、という言葉は
少なからずサクラちゃんも一度はナルトを見ようとしたのだ、と受け取っています。
また、ナルトにしか見えないサスケの内側が、なかなかサクラちゃんには伝わらないことに大変歯がゆい思いをしていたのですが、
今回、ナルトがちゃんとそういう部分を話してくれて、サクラちゃんに伝えてくれたことがとっても嬉しかったですし、
サクラちゃんもナルトの話を聞いて「サスケ」を取り戻していく姿がこれまた嬉しくて。
ナルトとサクラちゃんがサスケを追っていた3年間は、すごくサスケの事を考えただろうし、
また、そんな時間があったからこそ、サスケに関してはナルトとサクラちゃんはスペシャリストになっているんだろうな、と。
サスケがこんなにも二人にしっかり理解されていることが(きっと万の人間がサスケを理解できなかったとしても)この二人は絶対にサスケを見誤ることはない、という
絶大な安心感を感じられたのがすごくすごく有難かった。
二部開始早々はサスケを巡ってどう受け止めるかの葛藤がナルトとサクラちゃんの中で丁寧に描写されていただけに、
二人がサスケのことをちゃんと分かっている、という着地点には涙が滲みました。
私はずっと原作でこんなシーンを待っていたんだなと思い知りました。
ハッキリ言うとサスサクのシーンはまるで皆無な小説でしたが、いのサイ ナルサク サクサスなお話だったことは間違いありませんでした。
サスサクが成就するのはきっと1番最後なのかもしれない。
映画のエンドロールは一人でいるサクラちゃんを見てかなり凹むものがあったのですが、
サスケの贖罪の旅を「待っています」と心に決めたサクラちゃんを見て、今までモヤモヤしていたものがサーッと晴れていくかのようでした。
サクラ秘伝はサクラちゃんの成長は勿論だったけれど、サスケとの関係の進展を明確にしてくれるものでした。
72巻という長さで埋もれてしまった分かりにくい描写を丁寧にすくい取って、未来につなげてくれた。
サスサクの切なさや心地良い「飢え」に似た気持ちをもう一度感じさせてくれた。
そんなお話だったと思います。
サスケが今帰ろうとしないのは、待っているサクラちゃんがいるからだろうと思いました。
サクラちゃんが待ってるからこそ帰れない。帰れるのは自分の贖罪の旅が終わってから。
「また今度な…」という言葉少ないサスケだからこそ、
その言葉を必ず貫くのだろうと思いました。
それに、サクラちゃんには沢山の仲間がいる。
サスケが木の葉に戻らないのは、サイやナルト、カカシ先生への信頼は勿論ですが
サクラちゃんを取り巻く環境に絶大な信頼を置いているからだと思いました。ここでホイホイサクラちゃんを助けに行くサスケは
正直見たくなかった。
「オレがサクラを守る」だなんてハッキリ言って驕りです。
きっとその時は「わー!サスケかっこいい!」と短絡的に荒ぶることはできたでしょうが、
じきに「そんなのサスケじゃないなぁ」とこのお話自体を受け付けなくなっていた自分が容易に想像できます。
サクラちゃん自身もすごく強い、とサスケは認めているからこそ助けには来なかった。
相も変わらずかっこいいしずるい奴だなー!と思いました。
やっぱりサスケはちょー憎いアンチキショーでした。
まだ一度しか目を通していないので、色々読み返すたびに解釈は変わっていくかと思いますが、
いいお話だったなぁ。
決定打を見せつけない(ファンの心を裏切らない)
それが何よりも嬉しかったです。
対外この手の小説は一度読んでもう読まない、っていうことが多かったのですが
サクラ秘伝は何度でも読みたいな!と思いました。
ご無沙汰してる間も沢山の拍手を本当にありがとうございました。